ある男の決心
???????????????????僕はしがない呪術師だ。ただの三級呪術師だ。戦う力を持たず、守る術と条件付きの強いナニカを使役しているだけの、ただの呪術師。
この力を買われてこの世界に入った時、世界が滅ぶだの言われていて、肩の力が抜ける気がした。あぁなんだ、僕の力を振るう必要はないのだと。この悍ましくも強い霊に、食わせることをしないでいいのだと。
でも、そんな僕にも恵まれた縁があった。
上の先輩方の御三方、あの方々にはよくして頂いた。
ある方からは体術を。
ある方からは使役の方法を。
ある方からは身を守る術を。
この世界に入って、一番良かったことがこれであって、今までにないほど安心し切った時であった。
僕はとても恵まれたんだ。今でもそう思っている。
だから、もしもあの御三方に何かあったとしたならば。
もしも、誰かが死んでしまう事態になるのであれば。
もしも、御三方を害する連中がいるならば。
僕は喜んでこの身を守り、この霊に全てを喰らわそう。
僕がこの身を捧げた、生まれた瞬間から捧げた永遠の怨霊。
特級仮想怨霊、餓者髑髏に。